日・EU定期首脳協議の主な結論
![EU-Japan Summit on 13 July 2023](/sites/default/files/styles/hero_inside_content2/public/media/2023/20230713EU-JPsummit%20%28copyright-European%20Union%2C%202023%29.jpg?itok=t6R_D4jH)
シャルル・ミシェル欧州理事会議長とウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、欧州連合(EU)を代表して第29回日・EU定期首脳協議で岸田文雄総理と会談した。
EUと日本は、二者間関係の進展について満足感を表明し、以下について協力していくことで合意した。
- 平和、安全、法の支配および民主的価値の促進
- 繁栄と経済安全保障の確保
- 人間中心のデジタル化の発展
- 気候変動への対処
- 持続可能な開発を達成
- 健康安全保障の強化
日本はインド太平洋地域におけるEUに最も緊密な関係にある戦略的パートナーである。
平和、安全および法の支配
欧州とインド太平洋地域の安全保障は密接につながっている。
EUと日本は引き続き、断固としてウクライナを支援し、ロシアの侵略戦争への反対する。
EUと日本は、北朝鮮が国連安全保障理事会決議に反し、核兵器と弾道ミサイルの開発を続けていることを非難した。
EUと日本の首脳たちはまた、中国と建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある。
平和と安全に対する前例のない挑戦に鑑み、双方の首脳たちは、安全保障における連携をさらに発展させ、特に以下について協力を強化していく。
- 海洋安全保障
- サイバーセキュリティ
- ハイブリッド脅威
- テロ対策
- 軍縮
- 核不拡散
経済安全保障と貿易
EUと日本の首脳たちは、経済の強靭性および安全保障に関する協力を強化することで合意した。
EUと日本は、市民および企業の利益のために日・EU自由貿易協定を完全に実施することの重要性を確認した。
日・EU経済連携協定(EPA)が2019年に発効して以来、物品貿易は20%、また農業食品貿易については34%増加した。
日本は、2011年の東日本大震災を受けて導入された、福島と近隣地域の食品に対する輸入規制を撤廃するとのEUの決定を歓迎した。
デジタルパートナーシップ
EUと日本の首脳たちは、デジタル・トランスフォーメーションに関する協力を加速化させることで合意した。
2022年5月に日・EUデジタルパートナーシップが発足して以来、以下の戦略的分野において作業が進んでいる。
- 半導体
- ハイパフォーマンス・コンピューティングおよび量子技術
- 5Gおよびビヨンド5G
- 強靭なデジタル連結性
EUと日本の首脳たちはまた、信頼できる人工知能(AI)を確立させるために、AIガバナンスに関する国際的な議論を促した。
エネルギーとグリーン移行
EUと日本は、産業革命以前に比べた地球の平均気温の上昇を1.5℃以内にとどめるために、遅くとも2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするとの共通目標を再確認した。
EUと日本の首脳たちは、「日・EUグリーン・アライアンス」の下、以下を含む分野において協力することで、エネルギー移行に関する作業を促進することで合意した。
- エネルギー効率
- 低炭素および再生可能水素
- 洋上再生可能エネルギー
- 炭素の回収、活用およびリサイクル
EUと日本はまた、以下に向けて連携していく。
- 資源効率と循環経済の促進
- プラスチック汚染に関する法的拘束力のある枠組みの2024年末までの確保
- 安全かつ透明性のある液化天然ガス(LNG)市場の開発
- 違法漁業への対処
持続可能な開発
EUと日本の首脳たちは、過去一年間における成果を歓迎し、両者間の持続可能な連結性および質の高いインフラに関するパートナーシップに基づく、具体的な連結性プロジェクトでの協力強化に期待を表明した。
これらの共同プロジェクトは、パートナー国において持続可能で包摂的な成長を生み出すことを目標とすべきである。
健康安全保障
EUと日本の首脳たちは、以下に関して協力することを公約した。
- 国際的な保健体制の強化などを通じた健康安全保障の促進
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成
- パンデミックの予防、備えおよび対応に関する国際的枠組みに関する交渉終了の確保
<関連プレスリリース>
・EUと日本、デジタル分野および重要原材料のサプライチェーンにおける戦略的協力を強化
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