知識・経験・意見の交換や共有、また学生の留学や交流は、日本とEU双方の利益につながります。駐日EU代表部ではこうした人と知識の流れを支援するとともに、日本の学生に欧州留学について知ってもらうため、EUの各種プログラムに関する情報提供を行っています。

日本と欧州の大学の相互協力

日本と欧州の大学はこれまでも、「エラスムス・ムンドゥス(Erasmus Mundus)」といった定評あるプログラムの下で長年、相互に協力してきました。EUの現行の教育助成プログラム「エラスムス・プラスErasmus+)」は、双方の大学や学生が協力し合う新たな素晴らしい機会を提供します。また、日本の名門大学に拠点を置く「ジャン・モネ・センター・オブ・エクセレンスJean Monnet Centres of Excellence)」は、東京やその他の地域で学術協力を促進しています。日本人学生にとって欧州は魅力的な留学先であり、欧州留学のさまざまな機会に関する情報は、毎年開催される「欧州留学フェア(European Higher Education Fair」で集めることができます。

Erasmus Plus

エラスムス・プラスを通じた高等教育における日欧交流の支援

エラスムス・プラスはEUの中心的な教育助成プログラムです。このプログラムには、日本の大学、学者、学生が参加できる修士課程のジョイントディグリー、国際単位移動制度、「ジャン・モネ」イニシアチブといった3つの主要プロジェクトがあり、日欧の大学間協力を促進します。

エラスムス・ムンドゥスでいくつかの大学がすでに共同プログラムを実施しているように、その後身であるエラスムス・プラスでは、日本の大学は欧州の大学の協力機関(フルまたはアソシエートパートナー)となり、エラスムス・ムンドゥスの修士課程のジョイントディグリー(Erasmus Mundus Joint Masters)取得コースを提供することができます(ダブルディグリーも可能)。

また、日本人学生が直接ジョイントディグリーコースに応募し、欧州2カ国以上で学ぶともできます。

EU共同修士課程プログラム

20187月に行われた第1回日・EU教育・文化・スポーツ政策対話で、共同公募による新たな学生交流プログラムが発足することとなりました。文部科学省がEUと共同で実施する2019年度大学の世界展開力強化事業(日-EU戦略的高等教育連携支援)では3つの新しい修士課程のダブルディグリーが採択されました。

採択されたプログラム

 History in the Public Sphere (公共圏における歴史)
日本のパートナー大学: 東京外国語大学
ヨーロッパのパートナー大学:Central European University(ブダペスト/ウイーン)University of Florence(イタリア)、Institut national des langues et civilisations orientales (Inalco)(フランス)、Universidade NOVA de Lisboa (ポルトガル)
詳細: http://www.tufs.ac.jp/hips (link is external)
お問い合わせ先: tenkai-hips-coordinator@tufs.ac.jp (link sends e-mail)

 Erasmus Mundus Japan- Master of Science in Imaging and Light in Extended Reality IMLEX)近未来クロスリアリティ技術を牽引する光イメージング情報学国際修士
日本のパートナー大学: 豊橋技術科学大学
ヨーロッパのパートナー大学: University of Eastern Finland(フィンランド)、University Jean Monnet (フランス)KU Leuven(ベルギー)
詳細:  https://imlex.tut.ac.jp (link is external)
お問い合わせ: imlex@uef.fi, ryugaku@office.tut.ac.jp (link sends e-mail)
Facebook: https://www.facebook.com/IMLEXmaster/ (link is external)

 Japan-Europe Master on Advanced RoboticsJEMAROJapan-EU高度ロボティクスマスタプログラム
日本のパートナー大学: 慶応義塾大学
ヨーロッパのパートナー大学: Ecole Centrale de Nantes (フランス)、University of Genoa (イタリア)、Warsaw University of Technology (ポーランド)
詳細: http://jemaro.st.keio.ac.jp/ (link is external)
お問い合わせ: https://jemaro.st.keio.ac.jp/contact (link is external) 
 

欧州外の学生は、欧州内の大学と欧州外の大学との間の協定に基づいた、2カ月から12カ月までの単位認定留学プログラムに参加することができます。学生は、追加費用を支払うことなく、留学先の大学(ホスト校)で単位を取得し、在籍校でその単位を認定してもらうことができます。大学のスタッフと教授の方も欧州のパートナー大学で5日から2カ月まで教えたり研修に参加したりすることができます。2015年から2021年までの間に、日本と欧州の大学間のICMを利用して、日本または欧州で2,000人以上の学生とスタッフが留学、研修、教育に参加しました

EUは、「ジャン・モネ」イニシアチブを通じて、世界中でEUに関する卓越した教育と研究を推進しています。日本の大学は、個別のEU研究コース(ジャン・モネ・モジュールJean Monnet Modules)もしくはEU研究に特化した教育・研究センター(ジャン・モネ・センター・オブ・エクセレンス Jean Monnet Centre of Excellence)や大学間の交流を支援するジャン・モネ・ネットワークJean Monnet Networkを設立するための助成金を申請することができます。

また、EU研究およびEUについての教育を行う大学教員が直接助成金を申請することもできます(ジャン・モネ・チェアー Jean Monnet Chair). 

現在、日本にはエラスムス・プラスの支援を得て活動しているジャン・モネ・センター・オブ・エクセレンスが2つあります。

-神戸大学Jean Monnet CoE

-ジャン・モネCoE九州

また、慶応義塾大学にてジャン・モネEU研究センターが活動しています。

2023年のエラスムス・プラス公募(大学向け)

日本の高等教育機関もEUの高等教育機関と連携して参加できます

現在、2023年のエラスムス・プラスの公募2022年10月に開始される予定です。

ご参考に詳細は2022年公募のプログラムガイドをご参照ください(英語)。

卓越したEU研究を推進するEUインスティテュート・イン・ジャパン(EUIJ)

EUインスティテュート・イン・ジャパン(EUIJ)は、欧州の政治、法律、経済、環境、医学の分野における日欧学術協力促進のため、EUの助成金を受けて、2004年から2017年まで活動してきました。活動にはEU関連のコース開設、学部生や大学院生向けの奨学金制度、欧州から招聘した教授陣による特別講義、日欧の大学による合同研究や学術交流、一般市民・ビジネスマン・国や地方の公務員および政治家を対象としたイベント・セミナー・講義の開催など多様なプログラムが含まれていました。

期間中、EUIJ九州(九州大学、福岡女子大学)、EUIJ関西(神戸大学、大阪大学、関西学院大学)、EUSI東京(一橋大学、慶應義塾大学、津田塾大学)、EUIJ早稲田(早稲田大学)そしてEUIJ東京(一橋大学、国際基督教大学、東京外国語大学、津田塾大学)の5つのインスティテュートが設立されました(一部活動継続中)。

日本EU学会

1980年に創立された日本EU学会は、世界中の同種の学会との緊密な協力関係を通じて、EUに関する研究を推進することを目的としています。会員数は約500名で、学者を中心に、ジャーナリスト、ビジネスマン、政府関係者、弁護士などが参加しています。 学会の年次総会は、毎年異なる大学で開催されています。

欧州留学フェア(EHEF)

欧州は、あらゆる年齢層を対象とした学習プログラムの提供において世界を牽引しており、留学先としても世界中で人気があります。駐日EU代表部はEU加盟国と協力し、東京と関西で毎年「欧州留学フェア(EHEF」を開催し、欧州留学の促進に取り組んでいます。

欧州留学フェア、その他、学生向けの各種お役立ち情報は、「旅行と留学」のページでもご覧になれます。

EHEF Japan

関連情報

日本とEU、初の共同修士課程プログラムを選定」(EU MAG 201978月号 ニュース)

1回日・EU教育・文化・スポーツ政策対話)」(EU MAG 201878月号 ニュース)

世界に開かれた高等教育を展開するEU」(EU MAG 20162月号 政策解説)

グローバル人材を育てるEUの取り組み」(EU MAG 20146月号 特集)

EUに留学するにはどうしたらよいですか?」(EU MAG 20133月号 質問コーナー)

模擬EU(Model European Union)

駐日EU代表部の新たな取り組みで、大学のパートナーとともに2023年と2024年に2回の模擬EU(Model European Union)を開催します。

参加者募集のお知らせ

20241026日に奈良女子大学にて実施される第2回目の模擬EUへの参加学生を募集します。学生は、いずれかの加盟国の代表、あるいは EU 機関の代表の役割を担い、気候変動をめぐる政策決定についての交渉に臨みます。EU の閣僚理事会の政策決定のシミュレーションを自ら体験することを通じて、EU の仕組みを深く理解できます。

詳細はこちらをご覧ください