欧州委員会とEU上級代表、EU・ロシア関係の在り方について提言
<日本語仮抄訳>
欧州理事会の要請を受けた欧州委員会と欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は本日、EUとロシアの関係に関する共同コミュニケーション(政策文書)を提示した。同コミュニケーションは、6月24日~25日に開催される欧州理事会会合を前に、EUのロシア政策の実行の強化方法について勧告している。
抵抗、抑制、関与:戦略的課題の達成方法
政治的条件がそろった場合、EU・ロシア関係の潜在能力は相当なものである。しかしながら、ロシア政府は、全く逆の方向に向いている目的を積極的に追求している。ロシアはしばしば、国際法や自身が順守を約束した欧州安全保障協力機構や欧州評議会の主要原則に挑み、それらを弱体化させる。同国はEUとその加盟国のほか、われわれのパートナー諸国に対して影響を及ぼし、妨害し、不安定化させようとする。ロシアはまた、人権や基本的自由などに対する政治的弾圧の強化を用いて自国内の政治的・経済的秩序を維持している。
この課題に対し、本日の共同コミュニケーションは、EUと同国の関係の指針となる以下の5つの原則の実施状況を確認している。
- ミンスク合意の完全履行
- EUの東方のパートナー国や他の近隣国との関係強化
- EUの強靭性の強化
- EUの関心事項に関するロシアとの選択的関与
- 人的交流とロシアの市民社会への支援
これらの原則に沿って、ロシア政権がもたらす戦略的課題に対応するため、欧州委員会とEU上級代表は、同国指導層がより建設的な関与や政治的コミットメントを示すよう、EUが同国に対し抵抗・抑制・関与を同時に行うよう提言している。これらは、この重要な二者関係の現在の非生産的な流れを一変させるのに不可欠である。
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