欧州委員会、単一市場における外国の補助金に関する白書を採択
<日本語仮抄訳>
欧州委員会は、外国の補助金が欧州連合(EU)単一市場にもたらす歪曲的影響への対処に関する白書を採択した。今後、欧州委員会は同白書が打ち出した選択肢について、全てのステークホルダーから意見や情報を求める。2020年9月23日まで続くこの意見公募は、欧州委員会がこの分野における適切な法案を準備する一助となる。
EUの競争ルール、貿易防衛措置および公共調達ルールは、単一市場で企業が公正な条件に基づいて活動できるようにするために重要な役割を果たしている。
EU加盟国による補助金は常に、市場の歪曲を避けるためにEUの国家補助ルールの対象となってきた。非EU政府がEU域内の企業に提供する補助金は、単一市場内の競争にますます悪影響を与えているようだが、EUの国家補助ルールの管轄外にある。外国による補助金が、そのような資金を得ていない企業の不利益になるような形で、EU企業の買収の円滑化、ならびに投資判断、市場操作または受益者の価格設定方針、さらには公共調達の入札などの歪曲につながったような例が増えてきている。
さらに、既存の貿易防衛ルールは、第三国からの物品の輸出のみを対象にしており、このために非EU政府が提供する補助金がもたらす全ての歪曲に対応していない。外国の補助金がEU企業の買収を円滑に進めるための資金の流れという形を取ったり、EUで活動する企業の経営を直接支援したり、公共調達の入札を支援したりする場合、規制体系に空白があるようだ。
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