リスボン条約10周年と新欧州委員会の始動に寄せた、フォン・デア・ライエン委員長の声明

01.12.2019

EU News 217/2019

<実際の発言と要照会、日本語仮訳>

 

本日就任したウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、ブリュッセルの欧州歴史博物館で行われたリスボン条約10周年と新欧州委員会の発足を記念する式典において、以下の声明を発表した。

 

「新欧州委員会が始動するのに、この記念日ほど相応しい日はない。

 

本日より、われわれがEUの基本条約の番人であり、リスボン条約の精神の管理人だ。私はその責任を実感している。それは、われわれの先人、欧州統合の創始者および彼らが成し遂げた全てに対する責任だ。

 

しかしながら、それはまた、われわれの子孫に対する責任でもある。われわれが引き継いだときよりも、さらに強固な欧州連合(EU)を残す責任だ。

 

この場所(欧州歴史博物館)は、これまでのわれわれの道程を示している。われわれが引き継いできた宝物を展示している。平和な大陸。専制からの解放。前例のない経済的機会を有す単一市場。世界の他の場所にはないほどの権利と自由。

 

これらの宝物を守ることはわれわれの責務である。私にとって、このことはほとんど個人としての思いである。ご存知のとおり、私の父は、この欧州の冒険の始まりから参加していた。ここにある写真の中に、私が写っているかもしれない。私にとって、欧州統合の歴史は、家族の歴史でもあるのだ。

 

しかしながら、欧州は単にわれわれが引き継ぐ宝ではない。欧州は一つの望みである。欧州は未来である。欧州はわれわれ皆が、レンガ一つ一つを毎日積み上げて作り上げなければならないものである。

 

10年前、われわれの先任者たちはまだ、欧州に旗や歌が必要かを討議していた。しかしながら、この10年間、何百万人もの人々が欧州の旗、われわれの旗をかざしながら街中に繰り出してきた。そして、何百万人もの人々が、欧州の歌である『歓喜の歌』に鼓舞され、感動してきた。

 

欧州は急速に変化している。われわれの責任は、そのような変化についていくことにある。取り残される者がいないように。夢や希望を抱く欧州の同胞の擁護者であるために。

 

欧州の人々は、自信を持って未来に目を向ける力を有している」

 

 

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