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EU、パリ協定を運用可能にするために有益な役割を果たす

16.12.2018
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EU News 283/2018

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<日本語仮抄訳>

ポーランド・カトヴィツェで開催されていた第24回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP24)は、気候変動に関するパリ協定を世界中で実際に運用するための明確な「ルールブック」(実施指針)の採択で閉幕した。このルールブックの完成は、今回の交渉において欧州連合(EU)の最大目標であった。

パリ協定のルールブックによって、協定締結国は、同協定の長期目標を達成するための気候変動対策への自身の貢献を実施、監視、漸進的に強化することが可能になる。

EUの行動

パリ協定でのEUの「自身で決定する貢献(NDC)」は、より包括的な自らの2030年気候・エネルギー政策枠組みの下、1990年比で2030年までに温室効果ガス排出量を40%以上削減することである。2030年の排出量に関する目標の達成のための主要法制は既に全て採択されている。これらには、欧州委員会の試算によれば、完全に実行されれば2030年までに排出量の45%削減が可能となる再生可能エネルギーやエネルギー効率に関するEUの強化された目標のほか、EU排出量取引制度(ETS)の近代化および運輸・建物・農業・廃棄物といった分野における各EU加盟国の2030年の削減目標などが含まれる。

パリ協定が発効する直前の2016年11月、欧州委員会は「全ての欧州人にクリーンエネルギーを」と題した包括的政策パッケージを発表し、欧州のエネルギー部門をより安全で市場志向で持続可能なものにするため、最も先進的な規制体制を構築することを目指した。

われわれは、この転換が一部の地域、特に石炭生産に経済の基礎を置いている地域にとっては、他に比べより厳しいものとなることは認識している。欧州委員会は、これらの法的提案と共に、石炭・炭素集約的な地域と協力し、彼らもクリーンエネルギーへの転換の利益を享受できるような特別な取り組みを発表した。この転換は全ての欧州人のためのものであり、その社会経済的影響は注意深く管理される必要がある。

EUの野心はまた、2030年以降も続く。EU首脳の勧告を受け、欧州委員会は11月28日に、2050年までに、繁栄した、近代的で競争力のある、気候への負荷のない欧州経済に向けた戦略的長期展望を提示した。

この戦略的展望は、広範に及ぶステークホルダーとの協議を受け、気候変動に関する政府間パネルの「1.5度特別報告」を考慮に入れたもので、持続可能な成長や雇用を提供し、EU市民の生活の質を高める繁栄した、近代的で競争力のある、安全な経済を確保するための野心的なビジョンである。

欧州委員会がCOP24で世界のパートナーに示したこの戦略的展望は、EU全域における議論を呼び起こし、これを経てEUが国連気候変動枠組条約に2020年までに提出する長期戦略を採択することが可能となる。これに向け、欧州理事会はEU理事会に対し、関連コミュニケーション(政策文書)が示した要素について作業を進めるよう求めた。

また、途上国での気候行動を支援するために、さまざまな官民資源から2020年までに年間1,000億ドルを動員し、この額を2025年まで維持するという世界全体の目標へのEUの決意は揺るぎない。2017年にEU、その加盟国および欧州投資銀行は気候資金に総額204億ユーロを拠出したが、この額は2012年に比べほぼ50%増えた。

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