「人権デー」に寄せるボレルEU上級代表の声明

09.12.2023

EU News 204/2023

<日本語仮抄訳>

12月10日の「人権デー」に寄せて、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、EUを代表して以下の声明を発表した。

「人権デーに際し、EUは『世界人権宣言』の採択75周年を世界とともに祝う。この画期的な文書は、世界的な人権制度や、欧州における『欧州人権条約など人権を保護・促進する国内法や国際条約の基礎を築いた。同文書は、75年前と同様に、今日も有効かつ重要である。

人権は国境や文化を超える。人権は、区別なく全ての人間に固有のものである。これまで75年の間に大きく進歩したが、危機は増大し続けている。そして、戦争や紛争がもたらす最も重い負担に苦しむのは女性や子ども、そして弱い立場に置かれている人々であることがあまりにも多い。

人権を尊重し、保護し、実現することは、正義と説明責任を促進し、不処罰を止めるために不可欠である。これは、EU創設時の価値および原則の一つである。人権の普遍的尊重を促進することは、EUの対外行動における主要優先事項であり、われわれは堅い決意で取り組んでいる。またEUは、人権侵害や国際人道法違反、差別、市民社会スペースの縮小、民主主義や報道の自由に対する攻撃を、それがどこで起きようとも、非難し続ける。

『世界人権宣言』75周年と同時に、われわれは、『ウィーン宣言および行動計画』の30周年、および、人権の促進と実現に取り組み、前向きな変化をもたらす主体としての人権擁護者の重要な役割を認める『人権擁護者に関する宣言』の25周年を迎える。『世界人権宣言』は、われわれが今や気候変動の影響に取り組み、かつてなくデジタル化した世界の中で目下の課題に対応するためその原則を適用する中、さらに75年またそれ以降も大いに有用であり、かつてなく重要であり続けている。

世界中の一人ひとりの人権を擁護し、促進することは、われわれの共通の義務である。この節目を祝うに当たり、EUは、国連憲章へのコミットメントを再確認し、国連および国連人権高等弁務官事務所ならびに全ての多国間および地域機関と連携して、世界中で人権の完全な実現を推進していく。また、誰一人取り残さないという目的に従って、EUは、開発協力に対して人権に基づくアプローチを推進するというコミットメントを再確認する。

人権は、単なる机上の空論ではなく、普遍的に適用される法的規範である。現在や将来、来たるべき何世代にもわたって、平和の基礎であり、より公正で、平等で、包摂的な社会に至る道である」

原文はこちらをご覧ください(英語)

 

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