ボレルEU上級代表、ロシア訪問を終える

06.02.2021

EU News 40/2021

<日本語仮抄訳>

ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は2月4日から6日までモスクワを訪れた。訪問中に上級代表は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相とEU・ロシア関係と世界の地政学的状況について幅広く討議した。また、ロシアの法律によって活動に深刻な制限を受けている非政府組織(NGO)含む市民社会組織の代表、欧州企業関係者およびロシアの知識人やシンクタンクの代表などとも会合し、ロシアの内政・外交・経済政策について意見を交わした。

ラブロフ外相との二者会談では、ウクライナにおけるロシアの行動、ベラルーシ国民の民主的選択を尊重する必要性、および近隣地域の他の紛争を含む、広範にわたる外交政策問題が議題となった。ボレル上級代表は、ヘルシンキ最終文書に沿い、欧州の安定は協力、国家の領土の一体性と主権の尊重、および人権と基本的自由の尊重に基づく必要があると強調した。両者はまた、イランとの核合意である包括的共同行動計画(JCPOA)や中東和平交渉などでの協力についても話し合った。

ボレル上級代表とラブロフ外相はまた、国境を越えた協力や研究・イノベーションといった重要な分野における関与の可能性、および気候変動や公衆衛生といった地球規模の課題に協力して対応する方法などについても協議した。

上級代表は、ロシアにおける悪化する人権状況および批判的な声やNGO、市民社会を黙らせようとする意図的な試みに対するEUの深刻な懸念を明確に表明した。反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が先日、同氏の不法な拘束とロシア本土での化学神経剤による暗殺未遂事件に次いで、実刑判決を受けたことに対するEUの強い非難を再度表明した。また、EUがナワリヌイ氏および最近の抗議活動で恣意的に拘束された人々の即時かつ無条件の解放を求めると再度伝えた。既に禁止されている化学兵器の使用に関して制裁を決定しているEU外務理事会が、今月の会合で、ナワリヌイ氏に対する判決の影響とさらなるEUとしての行動について協議するとも伝えた。ボレル上級代表の訪問中、EUの外交官はナワリヌイ氏の弁護団と連絡を取り続けた。

ボレルEU上級代表は、3人の欧州の外交官を追放したロシア当局の決定を強く非難し、彼らが外交官としての地位と相いれない活動を行ったとの疑いを否定した。当該EU加盟国とのEUとしての一体性と連帯を強調し、ロシア当局に対しこの決定を再考するよう求めた。

 

EUについてさらに知りたい場合は日本語のオンラインマガジン『EU MAG』をご覧下さい


も参照してください

Nabila Massrali
Spokesperson for Foreign Affairs and Security Policy
+32 (0) 2 29 88093
+32 (0) 460 79 52 44
Peter Stano
Lead Spokesperson for Foreign Affairs and Security Policy
+32 (0)460 75 45 53