世界人権デー(12月10日)に寄せる、EUを代表したモゲリーニ上級代表の声明
<日本語仮訳>
70年前のこの日、国連加盟国は世界人権宣言を採択した。これにより、人類史上最大の悲劇を経て、世界が一つとなった。そこからわれわれは大きく成長した。
同宣言は、多くの国々が強力かつ耐性のある人権構造を作り上げてきた、国際人権法の礎であることが示された。今日、良い人権状況下で暮らす人々の数は、人類史上で最も多い。世界人権宣言70周年は、人権がわれわれの社会にどのような総合的な影響を与えてきたか、よりしっかりと見る機会である。
だからこそ、欧州連合(EU)は世界のさまざまな地域のパートナー国と共に、「良い人権物語」と銘打ったキャンペーンを展開し、人権を促進・尊重することは、社会をより強く、レジリエンスのあるものにすることを示した。
これらの物語に想いを寄せることは希望や楽観の源になりうるが、その一方で人権を当然のものと思ってはならない。世界各地で今なお続いている人権の侵害、民主主義の弱体化、市民社会の活動空間の縮小などの苦闘は認識している。
世界人権宣言の採択以来、市民社会や人権活動家は、平和的対話や多元的民主社会の構築を通じて人権の促進と保護に貢献してきた。
世界各地で、暴力的攻撃、強制失跡および懲罰的な登録制度を通じた、言論の自由や市民的空間に対する圧力が強まっている。EUは引き続き市民社会の揺るぎない支持者であり続け、今後も女性・青年組織を含む市民社会に対する嫌がらせや脅迫に対して行動し、非難していく。女性を含む人権活動家への支援はEUの対外人権政策の中心にあり、主要優先事項の一つである。EUは、現地の市民社会組織への世界最大の支援提供者であり、毎年世界の総支援額の3分の2に当たる2億ユーロを拠出している。
世界人権デーにEUはまた、世界的・地域的双方のレベルにおいて、国際社会が人権侵害に対処し、責任を追求する最良の場としての多国間の人権制度に、断固としてコミットしていることを再確認する。国際的人権枠組みをEU域内で実行することでわれわれは、世界中のパートナー国に期待するのと同じ規範を自身に課している。これには、域内外の人権状況を改善しようとするわれわれの継続的探求も含まれる。
これによってわれわれは、70年前の公約――その中心には全ての人間が自由かつ平等に生まれてくるという基本的事実と、われわれ皆が尊敬と連帯の精神で行動しなければならないという考えがある――を守り続ける。
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