国際反ホモフォビアの日に寄せた、モゲリーニEU上級代表の声明
<日本語仮訳>
フェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、5月17日の国際反ホモフォビアの日に寄せ、EUを代表して以下の声明を発表した。
「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日に際し、EUは、性的指向、性自認、性徴などに基づくあらゆる形態の差別および憎悪犯罪の根絶と、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス(LGBTI)の人々の人権の推進と擁護に対するコミットメントを、あらためて明示する。
EUの内外において、LGBTIの人々が暴力や憎悪犯罪の的となる事例が多発している。今もなお、多くの人が、性的指向、性自認、性徴のいずれかを根拠とする、差別や虐待の対象となっている。今もなお、多くの国において、同性のパートナーを持つことが犯罪とされている。そのような関係にあるという理由だけで、逮捕、投獄、処刑すらされているケースもある。性的指向が法的に擁護されている国においてさえも、ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアが故の非難が後を絶たず、それが社会的疎外を引き起こし、経済・健康関連コストを社会に課している。
世界人権宣言の採択から70周年に当たる2018年は、人権にとって重要な一年である。同宣言の第1条は、『すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である』と、謳っている。LGBTIの人々も例外ではない。よって、EUは、性的指向にかかわらず『万人に平等な権利』を実現するための活動を、継続していく。
政治的対話、人権対話、意識向上活動、資金援助に加え、『LGBTIの人々の平等の強化のための欧州委員会行動リスト』、『LGBTIの人々による全人権の享受を推進・擁護するためのEUガイドライン』などの政策ツールを組み合わせることにより、EUは、性的指向あるいは性自認に基づく差別や暴力への対応を継続するとともに、域内とその以遠において、LGBTIの人々の平等を進展させるべく、全力で取り組むことを約束する。
今日のこの日、EUは、LGBTIの人々の人権の推進と擁護のために活動する、全ての人々に敬意を表する。そして今一度、人権擁護活動家に伝えたい。『あなた方は決して独りではない。EUはいつもあなた方と共に活動を続けていく』と」
『EU MAG』の関連記事
「LGBTI政策でも先進的なEU」 2015年4月号 政策解説