駐日欧州連合代表部

フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、新型コロナ危機克服と将来への道筋を示す施政方針演説を行う

Brussels, 16/09/2020 - 10:00, UNIQUE ID: 200917_1
Press releases

EU News 248/2020

<日本語仮抄訳>

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は本日、同委員会は、欧州が経済・環境・地政学的に世界を先導するための土台を構築する、持続可能で転換的な復興を推し進める、と誓った。

演説の主なポイント

新型コロナウイルス感染症への対応と将来の欧州の健康の保護

委員長は、教訓を学ぶ必要があると指摘し、欧州は、将来も有効な、適切に予算が組まれた「EU4Health」プログラム、および強化された欧州医薬品機関と欧州疾病予防管理センターを有する、より強靭な欧州保健同盟を構築する必要がある、と述べた。

委員長は、国境を越える脅威への欧州の対応能力を増強するため、欧州版生物医学先端研究開発機関(BARDA)を設立することを約束した。また、近く開催される「欧州の将来に関する会議」の一環として、保健分野での欧州連合(EU)の新たな権限についての討議を呼びかけた。

市民を守るEU

フォン・デア・ライエン委員長は、欧州の社会市場経済を強化し、労働者と企業を外的ショックから守る重要性を強調した。「最低賃金は効果があり、労働の対価が支払われる時が来た」と強調し、最低賃金を設定する法的枠組みを提案することを約束した。

委員長は、単一市場を促進し、経済・社会同盟を強化し、シェンゲン圏を完全な状態に戻し、EUの産業戦略を改定し、その競争に関する枠組みを改良するための行動を約束した。

 欧州グリーンディール:2030年までに温室効果ガス排出を55%削減

委員長は、欧州委員会がEUの2030年の排出削減目標を40%から55%に引き上げるよう提案することを明らかにした。これによりEUは、2050年までに実質排出ゼロを達成し、自身のパリ協定下の義務を果たす道筋がつく。炭素国境調整メカニズムは、他国が欧州の後に続くことを確実にする一助となる。

来夏までに欧州委員会は、「55%目標に適合(fit for 55)」するよう、全てのEUの気候・エネルギー関連法制を改正する。

委員長はまた、総額7,500億ユーロの「次世代EU」予算の30%をグリーンボンドで調達すると発表した。また、資金の37%は、水素活用、環境性能の高い建物、100万カ所の電気自動車充電スタンドといった「道しるべ」となるような欧州のプロジェクトを含む、欧州グリーンディールの目標に投じる。

欧州を世界初の実質排出ゼロの大陸にするとの大志を反映し、建築家、技術者およびデザイナーたちがわれわれの時代に見合う建築スタイルを展開するための共同創造の場として新たな「欧州バウハウス」の創設を呼びかけた。

欧州のデジタルな10年

委員長は、「欧州はこれからデジタル分野で先頭に立たなければ、他者が進む道を追随することになる」と強調した。連結性、技能およびデジタル公共サービスなどにおける2030年までの明確な目標を有したデジタルな欧州に向けた共通の計画の策定を求めた。また、「次世代EU」予算の20%をデジタル分野に投資するとした。

不安定な世界に欠かせない欧州

委員長は、国連、世界貿易機関および世界保健機関を含む多国間体制の再活性化と改革を求めた。また、欧州委員会が欧州版「マグニツキー法」を提案することを約束し、EU加盟国に「少なくとも人権と制裁実行」について特定多数決を受け入れるよう求めた。

委員長は「旧友との新たな始まり」に言及し、欧州は米国と新たな二者関係を構築する用意があるとし、英国とは、同国が「EUが決して撤回することのない」、「法と信頼と誠意の問題」である脱退協定を尊重することを条件に、合意に至る用意があるとした。

委員長は西バルカン諸国の経済復興支援を約束し、「近隣者であるだけではなく、(中略)必然のパートナーとして」アフリカとの関係の重要性を強調した。

最後に委員長は、倫理、人権および環境問題に関して、「変化をもたらす合意を確保するために欧州の外交的強みと経済的影響力を駆使することを約束した。EUはデジタル課税について国際的な取り決めを求めているが、「欧州は公正さの国際的擁護者でありたい」と述べ、それが得られない場合は単独で行動すると明言した。

人の国際移動に関する新たな合意

委員長は、欧州委員会が来週、人間性、連帯および「滞在する権利のある者とそうでない者の明確な区別」に基づくアプローチを盛り込んだ新たな人の国際移動に関する協定を提示すると述べた。ギリシャ・レスボス島のモリア難民キャンプでの火災後の状況への対応について、欧州委員会が「進んで責任を取る」ことを約束したが、「われわれが進んで対応するなら、EU加盟国もそうすることを期待する(中略)移民・難民問題は欧州規模の課題であり、欧州全てがそれぞれの役割を果たす必要がある」と述べた。

法の支配

委員長は、欧州委員会が9月末までに全てのEU加盟国を対象とした初めての「法の支配」に関する年次報告書を採択すると強調した。EU予算は法の支配の保証を伴う場合に支出されることを確実にすると約束した。

反人種差別とヘイト犯罪や差別への対応

委員長は、欧州反人種差別行動計画を提示し、人種平等法制を強化し、EUレベルの犯罪リストに、人種、宗教、性別、性的指向のいずれに基づくものであろうとあらゆる形態のヘイト犯罪やヘイトスピーチを加える。欧州委員会はまた、初めて反人種差別調整官を任命する。性的少数者の権利を強化する戦略を提示し、EU域内での家族関係に関する相互承認を追求していく。

 

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