駐日欧州連合代表部

新型コロナウイルス感染症パンデミックに対応する経済対策に関するユーログループの報告書

ブリュッセル, 09/04/2020 - 03:59, UNIQUE ID: 200410_73
Press releases

EU News 96/2020

<日本語仮抄訳>

ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)はテレビ会議を行い、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対応する以下の包括的経済対策に関する報告書をまとめた(抜粋)。

1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、非常に深刻な社会経済的結果を伴う、前例のない課題である。われわれは、連帯の精神をもってこの挑戦に立ち向かうため、全ての必要な行動を取る決意である。

2. 衛生上の必要性に対応し、経済活動を支え、回復のための土台を整えるには、連携の取れた、包括的な戦略が必要だ。同戦略は、われわれ各国の経済の間のスピルオーバーや相関と、信用と安定を維持する必要性を考慮し、短期的、中期的、長期的取り組みを組み合わせるべきである。

<中略>

危機対応のための追加措置とパンデミック後の回復の土台作り
12. この重大な時期において、これまでの取り組みを支援・強化・補完するための欧州連合(EU)としての対応を強める用意がある。われわれは、全てのEU加盟国においてこの危機への対応が適切となるような状況を整える決意である。この文脈において、EUの諸機関が想定する各種措置は、個々の加盟国における経済的影響の深刻さに鑑み適用されるべきである。

<中略>

15. 欧州投資銀行(EIB)の行動の強化。われわれは、各国の投資銀行経由を含め、EU全域の特に中小企業に焦点を当て、事業者への2,000億ユーロの資金提供を支えることができる、250億ユーロ相当の汎欧州的な保証基金を創設するとのEIBグループの取り組みを歓迎する。EIBに対し、他のEUの取り組みや将来の「EU投資計画」との補完性を確保しつつ、早急にこの提案を運用可能にするよう要請する。同案は、各国独自の支援策に鑑み、欧州単一市場の公平性の維持への重要な貢献となる。

16. EUとユーロ圏における安全網。ユーロ圏とEU全体の双方において、安全網は敷かれている。ユーロ圏では、欧州安定メカニズム(ESM)が、COVID-19がもたらす対称的ショックの性質に見合った形で活用できる各種手段を有している。われわれは、今回の外的要因の影響を受けているユーロ圏加盟国への意味ある予防手段として、既存の予防的な融資枠である条件強化信用枠(ECCL)に基づき、今回の具体的な課題に鑑んで調整された「パンデミック危機支援枠」の創設を提案する。同枠は、EU諸機関による事前査定に基づき、現行の課題を反映し、事前にESM運営機関が同意した統一条件に沿って、この危機の間、全てのユーロ圏加盟国が利用できる。唯一の利用条件は、支援を求めるユーロ圏加盟国がこの融資枠をCOVID-19危機によって生じた直接・間接的医療ケアおよび感染防止と治療に関する費用の国内的資金提供を支援するために使用することである。ESM協定の規定は順守される。活用の上限の基準は、当該加盟国の2019年末の国内総生産の2%とする。首脳たちから権限を得て、われわれは、各国の国内手続きや憲法上の条件などを尊重しつつ、この融資枠を2週間以内に提供できるように努力する。この融資枠は、今般の危機が収束するまで提供される。その後については、ユーロ圏加盟国は引き続き、所轄のEU機関が適用するいかなる柔軟性を含む、EUの経済財政の調整・監視枠組みと一致するよう、経済・金融上のファンダメンタルズの強化に取り組む。ユーロを導入していないEU加盟国については、「収支ファシリティ」による資金支援が可能だ。その適用は、今般の危機の特殊な状況を考慮した形で行われるべきである。

17. 「緊急時の失業リスク緩和支援(Support to mitigate Unemployment Risks in an Emergency SURE=シュア)」。連帯の精神をもって、またCOVID-19危機の特殊性に鑑み、われわれは、この緊急事態の間、EUの機能に関する条約第122条に基づく、一時的な融資に基づく金融支援措置を創設する必要性について合意した。われわれは、この措置ができるだけ早く立ち上がるよう努力する。この文脈において、COVID-19危機の具体的な緊急事態下で雇用を守るために各加盟国を支援する一時的仕組みを創設するとの欧州委員会の4月2日の提案を歓迎する。この仕組みでは、収支支援のための十分な能力を維持しつつ、できる限りEU予算を土台に、かつ各加盟国のEU予算への保証を土台とし、総額で最大1.000億ユーロの融資を、好条件でEUから加盟国に提供する。この仕組みは、社会保障制度の分野における各国の権限を尊重しつつ、主に労働者や雇用の保護に向けた取り組みと、保健衛生関連の措置の一部を支援することが可能だ。この提案の法制化は、遅滞なく進められるべきである。この緊急措置に関する各加盟国の見解は、失業保険に関する将来の提案への立場に予断を与えるものではない。その法的根拠に沿って、この仕組みへのアクセスは、COVID-19危機が収束すれば終了する。

<中略>

19. 復興基金。この文脈において、われわれはまた、欧州の優先事項に沿った形で経済に弾みをつけるように設計された計画にEU予算を通した資金を提供し、最も深刻な影響を受けた加盟国へのEUの連帯を確保するため、復興を準備・支援する「復興基金」の創設に取り組むことに合意した。このような基金は、一時的で対象を絞ったもので、今般の危機の未曾有のコストに釣り合ったものとし、適切な資金供給を通じて時間をかけてそのコストを広げる一助となる。首脳たちの指導あらば、そのような基金のEU予算との関係や資金源など法的・実務的側面や、EU条約と一貫性の取れた革新的な金融商品に関する討議を経て、決定の土壌を作っていく。
 

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