駐日欧州連合代表部

EUと日本の間の貿易協定、発効する

Brussels, 31/01/2019 - 12:40, UNIQUE ID: 190131_7
Press releases

EU News 14/2019

<日本語仮訳>

欧州連合(EU)と日本の間の経済連携協定(EPA)は、2019年2月1日に発効する。これをもって欧州と日本双方の企業や消費者は、世界最大の自由貿易圏を活用することが可能になる。

欧州委員会のジャン=クロード・ユンカー委員長は、「欧州と日本は、開かれた公正な貿易の将来について、世界にメッセージを発信している。われわれは、6億3,500万人を擁し世界の国内総生産のほぼ3分の1を占める新たな市場を開放し、今まで以上に欧州と日本の人々を近づける。この新たな協定は、消費者により多くの選択肢とより安い価格を提供し、オーストリアのティローラー・シュペックや神戸牛など、欧州と日本双方の素晴らしい生産品を互いの市場で保護し、双方の中小企業に全く新しい市場に展開する機会を与え、欧州企業に年間10億ユーロの関税を節約させ、両者の間ですでに行われている貿易を著しく拡大する。何よりも、われわれの協定は、貿易は単に割当量や関税に関するものではないこと、何百万や何十億を超えるものであることを示している。貿易とは、価値、原則、公正性である。この協定は、労働、安全、気候および消費者保護といった分野におけるわれわれの原則が、世界最高水準であることを確実にする。これは、何千キロ離れていても、友情と価値で結ばれた、最も自然なパートナーと連携するときにのみ実現する」と述べた。

セシリア・マルムストロム通商担当欧州委員は、「この協定は全てを持ち合わせている。関税を撤廃し、世界のルールブックとなることに貢献すると同時に、日本とEUは引き続き開かれた貿易には利益があると確信していることを世界に示している。2月1日をもって、欧州企業は関税削減や簡素化された税関手続きの恩恵を受ける。欧州の製造業、サービス提供者、技術系新興企業および農家は皆、賞賛すべき内容を見出せる。また、労働者の権利や消費者保護に高い基準を設けただけではなく、われわれが初めて貿易協定の中にパリ協定下の気候に関する公約を固定化できたことを誇りに思う。この協定を通じて、両者間の貿易が相当増加するための環境は整ったと確信し、これが雇用創出に貢献し、価格の引き下げにつながりうると考える。この先は企業や個々人が、この新たな貿易機会を最大限に活用することに懸かっている。また、全てのEU加盟国がこのメッセージを広く方々に伝えることを期待している」と述べた。

EPAは日本に輸出するEU企業が毎年納める10億ユーロの関税の大部分を撤廃する。同協定が完全実施された際には、日本はEUから輸入される97%の物品において関税を撤廃する。同協定はまた、自動車の国際基準の承認など、長年にわたる多くの非関税障壁を取り除く。また、1億2,700万人もの日本の消費者へのEUの飲食料品の輸出の障壁を除去し、他の多くの分野においても輸出機会を増やそう。同協定が完全に実施されれば、EUと日本の間の貿易は360億ユーロ近く拡大する可能性がある。

EUと日本は持続可能な開発について、野心的な基準を設けることで合意し、本協定では初めて、パリ協定に関する具体的なコミットメントが盛り込まれた。

EPAの主な内容

EUからの農産物輸出に関しては、本協定は特に

  • 日本がゴーダやチェダーなど多くのチーズに課している関税(現行29.8%)やワイン輸出(現行平均15%)に対する関税を撤廃する
  • EUの対日牛肉輸出を相当に増加させることが可能になり、豚肉については加工品は無関税、生鮮肉についてはほぼ無関税となる
  • 地理的表示(GI)で認定された、200以上の欧州の高品質の農産品を日本で保護し、日本側のGI産品の一部をEUで保護する。

また、特に金融サービス、電子商取引、情報通信、運輸といったサービス市場の開放をも確保した。さらに、

  • 日本の54の大都市の調達市場へのEU企業のアクセスを円滑化し、国レベルでは経済的に重要な鉄道分野の調達への障害を除去する
  • EU側で慎重に扱うべき問題、例えば自動車部門内の問題、については、関税撤廃まで最大7年の移行期間を設けている。

この協定には貿易と持続可能な開発に関する包括的な章、中小企業のビジネスを簡素化する特定の要素も含まれており、非常に高度な労働・安全・環境・消費者保護水準を設定し、持続可能な開発や気候変動におけるEUと日本のコミットメントを強化し、公共サービスを完全に保護する。

個人情報保護については、EUと日本は2019年1月23日に、両パートナー間で個人情報が自由かつ安全に移転することを可能にする決定を採択した。両者は互いの個人情報保護制度を「同等」であると認め合うことで合意し、これにより世界最大の安全なデータ移転領域が生まれる。

2月1日をもって、もう一つの協定――日・EU戦略的パートナーシップ協定――の大部分も暫定的に適用される。

EPA と共に2018年7月に署名された同協定は、EUと日本の間の初の枠組み協定であり、地域規模、世界規模の課題を含む、双方が共通の関心を有する問題において政治的・分野別協力と共同行動を強化する包括的な枠組みを提供することで、包括的な日・EU間の連携を強化する。同協定は、全てのEU加盟国が批准した時点で発効する。

今後について

EPAは発効。実施後最初の数カ月の状況を評価すべく、2019年4月にブリュッセルで最初の日・EU委員会が開催される。

並行事案である投資保護については、日本との投資保護基準および投資紛争解決に関する交渉は続いており、2019年3月に次回首席交渉官会合が予定されている。両者は、欧州と日本で安定した安全な投資環境を確保するとの共通のコミットメントに鑑み、できるだけ早期に投資保護交渉において意見の一致を得ると固く決意している。

 

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