駐日欧州連合代表部

日・EU通商・投資関係

07/12/2017 - 01:32
Generic

EUと日本は共に世界貿易の主要な担い手です。

欧州連合(EU)と日本は共に世界貿易の主要な担い手である。日本はEUにとって、6番目に大きな貿易相手国であり、EUは日本にとって中国と米国に次ぎ3番目に大きな貿易パートナーである。2017年12月に交渉が妥結した日・EU経済連携協定(EPA)によって多くの経済的なメリットが生まれる。

EPAの概要は 通商総局のウェブサイトを、協定文書(暫定)はこちらをご覧ください(英語)。

『EU MAG』の記事「日・EU経済連携協定(EPA)の合意内容」(2018年5・6月号 ニュース)はこちら。

EUの対日輸出のうち、機械類・輸送機器が37%、化学製品が25%、その他の工業製品が22%を占めている。また第一次産品(農産品、原材料、エネルギーなど)は14%である。それと対照的に、日本からの輸入は、機械類・輸送機器だけで総輸入額のほぼ65%を占め、化学製品 は10%、第一次産品は2%である。

 

サービス貿易

サービス貿易の対日輸出は、2015年の280億ユーロから2016年には310億ユーロに膨らんだ。また、日本からの輸入は2015年の160億 ユーロから2016年には180億ユーロに増加した。サービス貿易におけるEU側の130億ユーロの黒字には、主に、金融、IT・情報 サービス、旅行、航空輸送、および他のビジネス関連のサービスが寄与している。

詳細はこちらをご覧下さい。

 

EPAとは何か? なぜ重要か?

日本とEUの経済規模は大変大きく、併せると世界の総GDPの4分の1を占めるとともに、貿易では世界全体の5分の1以上を担っている。日本とEUが野心的な自由貿易協定を妥結することにより、EUの対日輸出が32.7%拡大、日本からEUへの輸出も23.5%増加する可能性がある。EPAは双方にとって重要である。

 

これまでの経緯

交渉は2013年3月25日に、バローゾ欧州委員会委員長、ヴァンロンプイ欧州理事会常任議長、安倍総理大臣 によって正式に開始された。2017年7月6日、日本とEUは、EPAと戦略的パートナーシップ協定(SPA)の重要要素について、大枠合意に達した。

この政治的合意に基づいて、欧州委員会のセシリア・マルムストローム通商担当委員と日本の河野太郎外務大臣が、同年12月8日に日・EU EPAに関する最終的な協議を行い、交渉妥結を発表した。

 

経済連携協定の主要な要素

本経済連携協定により、対日輸出を行うEU企業が毎年支払っている10億ユーロの関税とともに、長きにわたり存在している、数多く規制障壁の大半が、撤廃されることになる。さらに、1億2700万人を擁する日本市場が、EUの主要農産物輸出に開かれることになるとともに、様々な産業部門において、EUの対日輸出機会が増大する。

EUからの農産品輸出に関する合意内容として、特に重要なもの。

  • ゴーダやチェダーなど多くのチーズとワイン輸出に課せられている関税(現行はチーズが29.8%とワインの平均税率が15%)が撤廃される。
  • EUからの対日牛肉輸出の大幅な拡大を可能にするとともに、豚肉に関しては、加工肉の関税が撤廃され、生鮮肉についても、ほぼ無税となる。
  • いわゆる地理的表示(GI)制度の導入により、200を越す高品質な欧州農産品が日本において確実に保護されると同時に、選抜された日本のGIについても、EU域内において保護が担保される。

 

さらに、この協定により、サービス市場、特に、金融、イーコマース、電気通信、運輸の開放が拡大する。また、

  • 日本の48大都市における大調達市場へのEU企業の参入が保障されるとともに、全国レベルでは、経済的に重要な鉄道部門における調達への障害が、撤廃される。
  • 自動車部門など、EUにおける特定のセンシティビティに配慮し、市場開放の前に移行期間が設けられている。

本協定には、通商と持続可能な開発に関する包括的な章が盛り込まれているとともに、労働、安全、環境、消費者保護に関する最も高い基準が規定されている。また、EUと日本の、持続可能な開発と気候変動への対応の強化、公共サービスの完全なる保護が包含されている。

EPAとは切り離して扱われているデータ保護に関しては、2017年7月に開催された日・EU定期首脳協議の際に発表された合同声明において、日欧双方が、基本的権利として、またデジタル経済に対する消費者の信頼構築にとって最も重要な要素として、高水準のプライバシーと個人情報の保護を確保することの重要性を強調するとともに、相互のデーターの流れをよりいっそう円滑化し、デジタル経済の発展に資するものであると指摘した。

日本とEUのそれぞれが最近実施したプライバシー保護規則の改定により、特にプライバシー保護法、中核となる個人的権利、独立した監督機関を基本とする、日欧両制度の収斂が一層進むこととなった。これにより、双方同時の保護水準の十分性認定などを通じ、データの交換を円滑化につながる新たな機会が、生まれる。EUと日本は、各々のデータ保護規則のもとで、2018年のできるだけ早い段階に、十分性認定を採択すべく、作業を継続している。

 

今後の動き

2017年12月8日の発表の後、EUと日本は、リーガル・スクラビングと呼ばれる、条文の法的検証を開始した。

この作業が終了するや否や、英語の条文がEUの23公用語と日本語へ翻訳される。

その後、現欧州委員会マンデートが2019年に終了する前の発効を目指し、欧州議会とEU加盟国の承認を得るために、協定が欧州委員会から提出される。

それと平行して、投資保護基準と投資紛争の処理法に関する交渉が、続けられる。安定かつ安心な投資環境を確保するという日欧共通のコミットメントに照らし、双方ともに、この投資保護に関する交渉において、立場の収斂を可及的速やかに達成するという強固な決意を有している。

これは、EUがこれまでに締結した二者間協定の中で、最も重要なものとなる。日本は、EUにとって6番目に大きな通商相手であり、毎時およそ1000億ユーロに値する財とサービスを輸出している。また、ほぼ同じぐらいの輸入も行っている。現在、およそ5000社の日本企業がEU域内において投資を行い、50万人強を雇用している。EUとその加盟国にとり、この日本との経済連携協定は、EU企業が支払っている、毎年10億ユーロにのぼる関税の大半を撤廃することにつながる。

EUと日本との間においては、工業製品の貿易が非常に盛んである。実に日本のEUへの輸出品の75%以上、そしてEUから日本への輸出品の60%近くが次に挙げる3つの品目で占められている。

1.一般機械・機器: 機械・機械機器、電気機器

2.輸送機器:自動車・鉄道車両、航空機・船舶

3.化学関連製品:化学製品・医薬品

 

工業製品の二者間貿易は通商政策のさまざまな側面の影響を受ける。輸入関税に加え、いわゆる非関税障壁はEUと日本の間の貿易の流れを阻害する最も大きな要因となっている。異なる基準や技術要件、その他の規制および行政手続きに関する問題が国境に於いて、あるいはそれを超えて現在の貿易の制約となっている。それらは法令遵守、ひいてはビジネスのコストの増加に繋がる。交渉が妥結したEPAの主な目的の一つは双方においての非関税障壁の除去である。

EUの産業政策に関し、欧州委員会は2014年に「ヨーロッパの産業ルネッサンス」と題したコミュニケーションの中で鍵となる優先事項を発表している。その中で下記の目標の達成を加速する為の新しい行動計画も提示している。

  • EU経済の競争力の維持の為、他の政策分野においても産業競争力の向上に主眼を置く
  • 域内市場の潜在能力を最大化する
  • イノベーション、スキルそして起業家精神の向上に繋がる地域開発政策手段を実施する
  • 投資促進に必要不可欠の情報へのアクセスを促進する
  • EU企業のグローバル・サプライ・チェーンへの統合を支援する

 

REACH 最終登録期限-2018年5月31

EUのREACH(化学物質の登録、評価、認可、制限)規則のもとで、化学物質の登録を行う最終日は、2018年5月31日となっている。この日を過ぎると、製造業者あるいは輸入業者ごとに一年間で1トン以上の量を製造もしくは輸入する物質であって、欧州化学品庁(ECHA)に登録をされていないものは、EU市場に投入することができなくなる。

EU域外の企業に関しては、一年間につき1トン以上の化学物質をEEAに輸入する場合において、REACHの影響を受けることになる。EUに輸出を行う域外企業が、化学物質の登録を直接行うことができないため、EU域内の輸入業者が登録する必要がある。登録文書の作成には、登録する物質の組成や性質に関する詳細な情報が必要であるため、当該域外業者より提供を受ける必要がある。もう一つの方法として、EU域外企業が所謂「唯一の代理人」を指定することができる。この唯一の代理人はEU域内の法人あるいは自然人でなくてはならず、当該域外企業の代わりに登録手続きを行うことになる。いずれの場合においても、域外企業には登録に必要な情報の提供する用意がなければらない。複数の企業が、同じ物質を登録する必要がある場合においては、データの共有および関連費用の分担を行うとともに、登録情報の大半を共同で提出することが必要となる。

2006年12月にREACHが採択されたことにより、化学物質の安全な使用を証明する義務が逆転することとなった。すなわち、自らがEUにおいて製造もしくは輸入する化学物質に関して、安全な使用が可能であり、人体や環境にとって受容できないリスクを生じることはないと、証明するのは企業側の責任となったのである。そのような企業の調査結果や結論を記録した登録文書が、ECHAに提出される。登録文書に記された情報は、さらなる規制プロセスに活用されるとともに、ECHAのウェブサイト上で公表される。これにより、欧州およびEU域外諸国の企業、政府、市民は、自らが使用する化学物質あるいは接触する可能性のある物質について、情報に基づく判断を下すことができる。

ECHAのウェブサイトには、REACHおよび他のEUの化学物質に関する規則について、幅広い情報が掲載されている。詳細情報を下記のリンクから得ることができる。
Do you export to the European Union?(冊子)
REACH registration 2018
ECHA information on chemicals(化学物質に関する情報を検索)
企業からECHAに直接情報を請求することも可能である。https://echa.europa.eu/contact

日本とEUは、WTO政府調達協定の締約国であり、公的な資金は透明性を持って、効率的、且つ無差別的な形で使われるためのルールを設けている。しかしながら、欧州企業は日本での公共調達契約を中々獲得できない状況は続いている。

日本とEU共に、世界貿易の自由化と拡大の進展に全面的に取り組んいる。EPA交渉は、公共調達において、残存する障壁を取り除き、日欧の企業が平等な条件で公共調達へ参加できることを担保する道を開いた。

公共調達における一層の市場開放は欧州連合(EU)だけではなく、日本にとっても有利に働くものであり、財政状況に余裕は残されていない現状の中で、次のメリットが生まれる:

  • 資金の価値の倍増
  • 多くの選択
  • 経済的な効率の拡大
  • 良好なガバナンス

 

企業にとって、次のメリットに繋がる:

  • 提供している商品或いはサービスの需要の拡大
  • 成長の種の創造
  • 雇用の保護
  • 新たな雇用の創出

 

公共調達とコンセッションとは?

公共調達とは、政府部門や地方公共団体などの公的機関が、特定の目的のため選定した企業から事業および物品やサービスを購入するプロセスである。[例:公立学校の建設、検察庁による家具の購入、駅の清掃契約]

コンセッションとは、例えばインフラ開発のような、付加価値を生むと認められる特定の分野で公的部門と民間企業が結ぶある種のパートナーシップであ る。公共機関が締結する契約においては、企業は、契約の対象事業・サービスの供給が完了した時点で、一定の金額を受け取る。一方、コンセッション方式で は、多くの場合、企業が事業を経営し、その事業やサービスの対価を受け取ることが出来るが、その一方で投資の損失リスクを抱えることになる。[例:道路、 鉄道輸送、港湾、空港におけるサービス、道路管理補修、廃棄物処理、エネルギーおよび暖房サービス、等]

EU指令の範囲内で公共機関が締結する契約額は年間4,250億ユーロに達し、EUのGDPの3.4%を占めている(2011年の数値)。

欧州投資銀行(EIB)によると、1990年から2009年の間に1,300件以上の官民パートナーシップ(PPP)が結ばれ、その額は2,500億ユーロに上る。コンセッションはPPP において最も一般的な方式である(60%)。

 

EUの公共調達関連政策の推移

EUの公共調達に関する核の指令。

 

「公共事業分野」は、別のより柔軟性のあるルールが伝統的な公的部門の発注者(中央政府、地方自治体等)に適用されている。「公共調達指令」とは異 なり、「公共事業分野に関する指令」は公的事業者が発注した契約、または独占的もしくは特別の権利を付与された民間企業がこの分野において締結した契約に も、適用される。

EU市場での公共調達の規制に加えて、EUは域外では、国際公共調達市場の大胆な開放を求めると同時に、特定の外国の物品、サービスそして企業のEUの調達市場へのアクセスを開放している。EUは二者間・地域間、また多国間の両方において国際協定の交渉を行っている。

関連リンク(英語)

欧州委員会の公共調達関連政策:通商総局;  域内市場・産業・起業・中小企業総局 Tenders Electronic Daily (TED)

日本とEUの関係において日欧間の投資フローの促進はますます重要な課題となっており、日・EU EPAの交渉の場でも議論されていた。投資拡大は相互の利益につながる。日本経済が開放的なものとなり、欧州企業が円滑に貿易を行えるようになり、またビジネス発展のための支店や子会社の設立も容易になることは、EUの利益となる。日本にとっては、外国直接投資(FDI)が経済成長のために重要な役割を果たす。

EPAの投資保護条項は、以下の行為を禁止する基本原則に沿って、政府が日・EU間の投資を保護することを担保し、投資を奨励するものである。

  • 差別
  • 外国投資を補償無しに没収すること
  • 海外投資家に対する国内法廷での裁判拒否
  • 相手の領土における日本またはEUの投資家の不当もしくは恣意的な扱い投資とは?

資本の自由な移動は欧州単一市場の柱であり、また「4つの自由」の中の一つにも数えられる。資本移動の自由は統合され、開放的、競争的で効率的な欧州の金融市場とサービスを可能とし、全ての人に多くの恩恵をもたらす。それは市民にとってはさまざまな国外活動、例えば銀行口座の開設、外国企業の株式購入、最も高いリターンを得られる場所での投資、不動産購入などを可能にするものである。企業にとっては、国外の企業への投資、その所有または経営参加が可能となることを意味する。

海外直接投資とは、企業が他国での生産や事業に直接投資することである。EUは長い間先陣を切って、欧州の企業や投資家による他のEU加盟国および第三国への投資を後押ししてきた。また、第三国からのEUへの投資も促進している。投資は全ての者にとって相互利益となり、今日世界が金融危機や経済停滞からの脱却を目指す中、一層重要度を増している。

投資関連政策

投資はEUの共通通商政策の一部を成しているため、欧州委員会が投資関連法令に関する責任を担っている。投資政策へのアプローチは「欧州の包括的国際投資政策に向けて(Towards a comprehensive European international investment policy)」と題される文書で発表されている。EUの投資政策はEUの投資家と投資に、市場アクセスおよび法的確実性を提供することを主眼としている。また、ビジネスを行うにあたっての安定した、予測可能で公平かつ適切な規制環境の確保を目指すものである。

一方、安定した安全で有益な外国投資に対しては、可能な限り開放的な市場を約束し、EUはこれらの原則を世界的レベルで推進することに努めている。国際的な場や二者間投資対話および貿易協定、そして主に政府系投資ファンドなどの第三国の投資家を通じてこうした取り組みを行っている。

関連リンク(英語)

欧州委員会の投資関連政策: 通商総局; 金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局
Destination Europe 〜 魅力ある海外直接投資先としての欧州単一市場 (PDF)

サービス部門は欧州の域内市場や日本にとって極めて重要であり、EUの雇用と付加価値の80%を担っている。日本とEUは、お互いに既に多くのサービス輸出を行っているが、EU 企業は日本にサービスを販売するに当たって未だ障壁に直面している。従って、サービスはサービスは交渉が妥結したEPAや複数国間 および多国間交渉の議論のカギとなっている。

サービスとは?

多くの異なる分野が含まれる。例えば、小売りや卸売り、建設、ビジネスや専門的サービス、不動産、観光、一部のエンターテイメント、運輸、ネットワーク事業、医療、金融、政府によるサービス(行政と教育)が挙げられる。

近年、モノとサービスはますます緊密度を高めている。サービスへのアクセスは多くの工業製品の経済性を決定付ける。つまり、繊維、自動車、コン ピューターの生産者や輸出業者の競争力には、効率的な銀行、保険、会計、電気通信そして運輸システムが不可欠である。また、今日、多くの製品の購入には サービスの要素が付き物である。

クラウドコンピューティングの台頭は、技術的インフラ、プラットフォームそしてソフトウエアが、サービスとして世界的レベルで提供されることを意味する。以前はハードウエアとして企業に納入されていたモノが、今はサービスとして国境を越えて提供されている。

EUのサービス関連政策の推移

2006年、EUは「サービス指令」 (Directive 2006/123/EC) を採択し、消費者と企業の双方が簡単にサービスを提供または購入することを可能にし、域内市場の恩恵を全面的に受けられるよう保障した。この指令は加盟国において会社の設立を容易にすると同時に、登記を行っていない他の加盟国にも国境を越えてサービスを提供できるよう、サービス提供者への規制環境を改善することを目指している。サービス指令は加盟国に対し、お役所仕事を廃し、事業者とサービスの受益者に対し透明性を向上させ、不当なまたは過度な要求を排除することを義務付けている。当該指令は明白にその適用範囲から除外されている場合(例:金融サービス、ギャンブル)を除いては、すべての活動および分野に適用される。

関連リンク(英語)

欧州委員会のサービス関連政策: 通商総局; 域内市場・起業・中小企業総局 (一般政策郵便サービス観光ビジネスサービス); モビリティー・運輸総局(航空輸送, 海上輸送);金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局(金融サービス; 通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(情報通信

IPR 知的財産権

EUと日本は、知的財産権の保護に関して、利害を共有し、近似した懸念を持つパートナーである。革新と創造性が日本とEU双方に、経済成長を実現させるのである。またこれらは、消費者により多くの選択肢を与え、雇用を創出する。

 

知的財産権とは何か?

日本とEUはすでに、知的財産に関わる多くの物品やサービスを互いに輸出入している。しかし、以下の分野では、改善の余地がある。

  • 革新と創造性を奨励するという、知的財産権(IPR)の果たすべき役割についての意識を高めること
  • バランスのとれた方法でIPR規則を施行することにより、新たなアイディアと、それらを駆使した高品質の製品を生み出す人々や企業を守ること
  • 新しいアイディアを生み出す研究・開発への投資、および製品・サービスのブランディングを推進すること

 

IPRは、作者、アーティスト、デザイナー、発明者および他のIPR使用者が、自らの創造物や発明品がいかに使用されるべきかを決めることので きる権利である。これらの権利のほとんどは、期限のあるものだが、創造性や革新を促進していく上での重要な誘因となり、その結果、消費者の選択や雇用の創 造をも改善することとなる。

 

IPRは以下の2つに分類される。

1.産業財産権

  • 特許権:新たな技術的な発明
  • 商標権:一度保護されると、競争会社が使用することが不可能となる単語、ロゴ、シンボルなど
  • 意匠権:製品の外見
  • 地理的表示:ある製品が特定の地域に根ざすものであり、その品質、特性もしくは名声がその地理的起源に由来することを示す表記

日・EU経済連携協定(EPA)では、日本とEUは相互に地理的表示(GI)を保護しあうことに同意しており、この協定により、高いレベルでの保護が達成された。

2.著作権

書物、記事、演劇、映画、音楽、絵画、写真、彫刻、地図などの文学的および芸術的作品を含む。著作権に関連する権利は、映画プロデューサーや公演者の権利、および音声録音権や放映権をも包含する。日・EU EPAでは、著作権保護期間を50年から70年に延長することが同意された。

これらの権利そのものに加え、知的財産に関する認知を徹底させ、それを尊重し、執行していくための適切なメカニズムを構築することは、発明の連鎖において、重要な関連性を持つ。

 

EUにおける知的財産権関連の政策の発展

2011年より、EUは21世紀にふさわしいIPRのあり方を推進するための画期的な進展を遂げてきた。

  • 欧州統一特許制度:これにより、EU全体で保護を受けることのできる単一の特許が、比較的安価に、企業に与えられる
  • 国境で模倣品に対処するための規則の更新
  • 欧州の文化遺産をデジタル化するための、美術館や図書館の権限強化
  • 信頼のおけるデータ収集などによって、知的財産権侵害について議論し取り組みを進めることを目指した、関係者のための基盤の立ち上げ

 

第三国における知的財産権の保護・執行を強化することもEUの貿易政策の目標のひとつである。この目標は、多国間や2カ国間の協定〔自由貿易協定〕によって、推し進められている

 

関連リンク

欧州委員会のIPRに関連する政策:通商総局域内市場・起業、中小企業総局農業・農村開発総局欧州特許庁EU商標・意匠庁

日本とEUは、農業には単に国民に食料を提供するだけではなく、田園の景観、環境、伝統を守る目的がある、という考え方を共有している。東京とブリュッセルで開催される日本とEUの二者間ハイレベル協議や、多国間協議(WTO動物および植物検疫措置に関する委員会、OIE、CODEX会議、 FAO・WHO合同食品添加物専門家会議、WTO における農業交渉など)において、EUは日本と意義のある意見交換を活発に行っている。

以上の枠組みに加え、農業および食品安全は重要な議題として2013年に交渉が始まり、2017年に妥結された日・EU経済連携協定(EPA)交渉の中でも議論されている。

開かれた貿易は欧州の農業部門にとって最も重要であり、欧州の農業従事者および食品加工業者は貿易に依存している。欧州の生産者は高い品質の食品や飲料によって世界中で知られている。

 

日本は主要な食品の輸入者であり、世界最大級の食品市場を有している。しかしながら、市場参入における大きな貿易障壁や物品に課される高い関税によって、欧州の生産者が日本向けに輸出できる商品の種類は限られている。その結果、日本で手に入る欧州産食品の範囲は限定され、小売価格も高くなっている。

日本とのEPA交渉を通し、透明性が高まり、明快な規制枠組みが構築された。これにより、欧州企業の日本市場参入が容易になり、EUの市場占有率が適切なレベルに上がるであろう。

日本自身は最近、日本の農業部門の競争力の改善や農産品の輸出増加に力を入れている。貿易の機会を手にすることにより農業部門にも経済成長がもたら される可能性を日本が認識し始めたが、これで日本も他国の市場への参入は一方的にできるものではないことが分かるだろう。開かれた貿易から農業分野を閉ざす代わりに、よく考慮された農業政策を取り入れるーーそうすることで、農業部門が開かれた貿易の中でのメリットを享受できるのだ。

EUの場合、共通農業政策(CAP)や1980年代から行われている大幅な改革により、EUが主な貿易交渉に参加する地盤をつくることができた。それは今日も続いている。

食品添加物の承認

食品の安全は、日本とEUの協議において主要な議題であった。日本の食品添加物リストは時代の流れに追いついておらず、国際基準に合致する形で改定することが必要である。2002年12月、日本は「国際的に安全性が確認され、汎用されている」46の添加物を優先的にリスク評価する対象として特定した。これらはWHO・FAO合同添加物専門家会議においてすでに評価され、 EU加盟国や米国を含む多くの国々で使用されている物ばかりであるにもかかわらず、日本政府は、日本独自の基準に基づいて個別に評価すべきであるという立場を曲げなかった。10年以上が経ち、46のうちEUの関心のある添加物についての承認は完了し、ワイン添加物の承認においては前向きな展開がみられたが、未だ評価と承認を経なければ日本市場で使用できない添加物の数はかなり多い。そのため、最高品質で完全な安全性を誇る欧州製食品の多くが、今も日本市場に参入できない。

 

牛肉および牛肉製品の貿易

最近まで、欧州産牛肉の日本への輸出は懸念事項であった。欧州産牛肉は10年以上にわたり日本の市場から締め出されてきた。しかし2013年以降、 フランス、オランダ、アイルランド、ポーランド、デンマーク、スウェーデン、イタリア、最近ではオーストリアからの牛肉の対日輸出が解禁された。これらの動きによ り、輸入を許可された国々と同等のステータスにあると国際獣疫事務局(OIE)に評価されている他のEU加盟国が、日本に牛肉輸出を望むようになった。日本とEUはFTA交渉中であるが、この解禁により日本市場での非関税障壁は乗り越えられるものであることが示された。

 

福島第一原子力発電所事故に関連する情報

日本からEU加盟国向けに輸出される食品・飼料に関する特別措置について

日本からEUへの食品・飼料の輸入についての緊急措置が2017年11月10日に改正された。改正規則「福島の原子力発電所事故後の日本からEU域内へ の食品と飼料の輸入についての特別な条件に関する規則(COMMISSION IMPLEMENTING REGULATION (EU) 2017/2058 )」はこちらで閲覧できる(英語)。これは以前のCommission Implementing Regulation (EU) 2016/6 of 5 January 2016に取って替わるものである。

1) 2011年3月11日以前に収穫され、かつ/または加工されたもの

2) Commission Regulation (EC) 206/2009 の第2条が適用される個人の貨物で動物由来の食品や飼料であるもの(詳細

3)  個人委託の、動物由来ではない食品や飼料で、非商業目的であり個人の消費だけを目的とする個人宛てのもの。疑いのある場合は荷受人が説明する責任を負う。(詳細

上記以外の質問はFAQを参照または駐日EU代表部までEメールdelegation-japan@eeas.europa.euにて問い合わせのこと。

 

関連リンク

農業総局ウェブサイトCAP 2014-2020保健衛生・食の安全総局食の安全欧州食品安全機関EU域内への輸入条件

一般データ保護規則(GDPR)

デジタル経済にとって、信頼性は大変重要である。新たな「一般データ保護規則」により、個人のデータはさらによりよく管理されることになる。これは、現行の権利および義務の定義をさらに明確にし、新たな権利(例えばデータポータビリティーの権利)ならびに新たな義務(たとえばデータ侵害通知など)を導入することにより可能となるものである。EUのデジタル単一市場は、こうして調和された規則、データ保護に対する近代化されたガバナンス、および信頼できる制裁メカニズムにより、規則の一貫した適用を担保するより強固な組織に基づくものである。

日本の企業は、EU 域内の事業所の活動に関連して個人データを取り扱う場合、ないしは具体的にEU内の消費者に物やサービスを提供したり、、またはこれらの消費者の行動を監視することによってEU市場を狙ったりする場合には、GDPRを遵守しなければならない。

EU域外への情報移転もまたGDPRの対象となる。この規則は、情報移転に関してさまざまな手段を提供しているが、これには、通常日本の企業が利用する既存の手段(いわゆる特例である「標準契約条項(SCC)」や「拘束的企業準則( BCR)」)および、認証および行動規範のような新たな方法も含まれる。また個人データを扱う中小企業への一連の勧告も含まれている。

実際日本は、データ移転の目的において、EUの加盟国と同様に考えられており、日本とEUは双方間のデータフローを大幅に簡便化するための互恵的な十分性認定に関して現在調整中である。このような認定が整えば、データをパリから東京へ移転するのは、パリからベルリンへの移転同様、容易になることであろう。

日欧産業協力センター

日欧産業協力センターは、日本とEUの間のあらゆる形の産業・貿易・投資協力を促進するとともに、双方の産業システムの技術力や競争力を強化することを目指している。日本とEUの共同事業として、同センターは、東京とブリュッセルに事務所を持ち、若いエンジニアを対象とする「ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ」や 「ヴルカヌス・イン・ジャパン」などの研修プログラムを提供するほか、日本における「ホライズン2020 (Horizon 2020)」プログラムの連絡窓口でもあり、その他、多様な情報サービスを提供している。同センターはまた、「日・EUビジネス・ラウンド テーブル(BRT)」(後述)という会合を年に一度開催している。

 

EU-JAPAN CENTRE

 

日・EUビジネス・ラウンドテーブル(EJBRT)

日本とEUの有力企業の約50人のCEOや経営幹部で構成される日・EUビジネス・ラウンドテーブル(EJBRT)は、 日欧の産業の経済的成功に寄与することを目的に、年に一度会合を開き、日欧間のビジネス協力のあらゆる側面について検討し、民から官(日本政府と欧州委員会)への政策提言を行う。EJBRTは、相互に利益をもたらす取り組みを特定し、日欧のそれぞれの政府の実施状況を把握している。また、経済、商環境、現下の具体的問題などさまざまなトピックに関して協議を行っている。

 

欧州ビジネス協会(EBC)

欧州ビジネス協会(EBC)は欧州17カ国の在日商工会議所・ビジネス団体にとっての貿易政策部門であり、在日欧州(連合)商工会議所として登録されている。会員は法人と個人を合わせ現在約2,500 を数え、駐日EU代表部および欧州各国の大使館や企業組織と緊密に協力し、政策にかかる提案の調整や、日本市場における貿易・投資のための開かれた 環境を築くべく日本政府への提言を行っている。EBCは26の産業別委員会ごとに関心のある主要な問題を取り上げた、日本の商環境に関する年次報告書を作成 している。これまでの報告書の主要な問題はウェブ上に記載されている。

 

EU Green Gateway to Japan Programme

EUは、1994年から2014年にかけて対日貿易投資の促進に寄与してきた「EU Gateway to Japan」の後継プログラムとして、2017年から2019年にかけて、「EU Green Gateway to Japan Programme」を実施している。これは、「建設」「環境」「エネルギー」「医療機器」「鉄道のコンポーネント・部品・サービス」の5つの分野における グリーンテクノロジーの貿易投資の促進を目的とするものである。3年間で合計12の訪日ミッションが予定され、そのうち、2018年には4件のミッションが実施される。「EU Green Gateway to Japan Programme」に関する詳しい情報は、下記のサイトに掲載。

http://www.eu-gateway.jp

お問い合わせ先Eメールアドレス:delegation-japan-gateway@eeas.europa.eu

同プログラムに関する駐日EU代表部の公式オンライン広報誌『EU MAG』の記事はこちら

 

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