「第10回日・EU科学政策フォーラム」・「科学技術円卓会議」

11.10.2019

10月5日土曜日、欧州連合(EU)代表部は、日本の政策研究大学院大学(GRIPS)の協力の下、京都国際会議センターで第10回日・EU科学政策フォーラムを開催した。 今年のテーマは、「変化する世界における新しいSTIポリシー」であった

例年通り、本フォーラムには、政策立案者、資金助成機関・研究機関の責任者、研究者、イノベーターなど、研究とイノベーションに関わるハイレベルな聴衆が集まり、欧州と日本から60名の参加者と70名のオブザーバーが出席した。

本フォーラムでは、パトリシア・フロア駐日EU大使と前GRIPS学長の白石隆教授が共同議長を務め、欧州委員会研究・イノベーション総局(DG RTD)のジャン=エリック・パケ総局長、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議常勤議員の上山隆大博士、文部科学省の山脇良雄審議官から政策の概要説明が行われた。また、研究・イノベーション分野における日欧の連携強化の手法に関する議論には、スウェーデンのマチルダ・エルクランス高等教育研究大臣をはじめとする、欧州と日本のハイレベルな代表者が参加した。

本フォーラムはまさに重要な時期に開催されたと言える。2021年~2027年のEUの次期研究・イノベーション枠組み計画である「ホライズン・ヨーロッパ」(約1,000億ユーロの予算が提案されている)は、スマートイノベーション主導の成長、包摂、持続可能性という3つの目標を統合し、また私たちの時代の差し迫った地球規模の課題(がん、気候変動、都市のCO2排出、土壌と海洋の状態)の解決に向けてイノベーションを先導することを目的としている。 一方、日本では、政府が「第6期科学技術基本計画」の準備を進め、「Society 5.0」の実現に向けたさらなる取り組みが進行している。また、少子高齢化社会への取り組みや健全な地球環境の回復、新たな科学技術フロンティアの開拓に寄与することが期待される「ムーンショット型研究開発計画」の準備が進められている。

日・EU間で開催される本フォーラムは、20155月の日・EU首脳協議で採択された、欧州委員会と日本政府の研究・イノベーション分野における新しい戦略的パートナーシップに向けた共同ビジョンに完全に合致している。 同パートナーシップでは5つのテーマが掲げられているが、その1つが「主要なSTI政策の相互理解の深化」であり、本年次フォーラムはこの目標に向けた重要な貢献である。

 

 

 

科学技術円卓会議

106日日曜日、欧州委員会DG RTDのパケ総局長は、「持続可能な開発目標(SDGs)とムーンショットのためのSTI」をテーマとした日本の内閣府主催の科学技術大臣円卓会議に出席した。発言の中で、パケ総局長は、国際社会が直面する課題への取り組みが急務であることを強調し、また社会の抜本的な移行が必要であることを訴えた。また、「研究とイノベーションおよびSTI政策は、こうした社会の移行を実現する上で中心的な役割を果たすものであり、また課題に対する解決策は、国際的な協力を通じてのみ見出すことができる。SDGsを達成するための解決策を求める中で、公的・民間部門や市民など利害関係者の間で公平な競争環境を確立するには、共通の価値が広く共有されることが不可欠である」とも述べた。

Group photo

 

 

萩生田光一文部科学大臣との会談

106日日曜日、欧州委員会DG RTDのパケ総局長とフロア駐日EU大使は、萩生田文部科学大臣と会談し、 研究・イノベーション分野における日・EUの協力関係について意見交換を行った。

Two men and one woman

 

 

竹本直一科学技術政策担当大臣との会談

106日日曜日、欧州委員会DG RTDのパケ総局長とフロア駐日EU大使は、竹本科学技術政策担当大臣と会談し、日欧間の研究協力をさらに強化する方法について議論した。 そうしたアイデアの一つは、日本の「ムーンショット型研究開発計画」とEU2021年~2027年の次期研究・イノベーション枠組み計画である「ホライズン・ヨーロッパ」を連携させていくことである。

Two men posing with a paper

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422 Iwakura Osagicho, Sakyo Ward, Kyoto, Kyoto, 606-0001