ボレル上級代表、「国際反ホモフォビア・反トランスフォビア・反バイフォビアの日」に寄せて声明を発表

15.05.2020

EU News 127/2020

<日本語仮訳>

ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、「国際反ホモフォビア・反トランスフォビア・反バイフォビアの日」(5月17日)を前に、EUを代表して以下の声明を発表した。

「国際反ホモフォビア・反トランスフォビア・反バイフォビアの日に際し、EUは、その豊かさの全てにおける人間の多様性と、全ての人が自分が誰であるかを誇り、自身のアイデンティティを定義し、自ら選んだ人を愛する権利に敬意を表したい。

世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを封じ込める努力に焦点を当てる中、われわれは世界の多くの地域でレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックス(LGBTI)の人々が直面する特定の課題を思い起こし、浮き彫りにする。彼らはしばしば差別的な法律や否定的な社会的態度のために、医療サービスへのアクセスにおける偏見、差別および制限に直面する。多くのLGBTIの人々にとって、家族や地域社会の支援の欠如は、暴力、失業、貧困およびホームレス化の危険を増加させる。われわれは、パンデミックの中でLGBTIの人々を保護するために必要な的を絞った行動に関する国連人権高等弁務官の声明を歓迎し、各国がパンデミック戦略を計画および実施する際にLGBTIコミュニティと協力して取り組むことの重要性を強調する。

認識された、もしくは実際の性的指向または性自認に基づいて、世界のあらゆる場所で人権が説明責任の取られない形で侵害・乱用され続けていることは受け入れられない。性的指向の犯罪化と、トランスおよびインターセックスのアイデンティティの非認識は、LGBTIの人々に対する烙印や疎外につながり、彼らが医療サービスに自由にアクセスするために直面する課題を倍増させる。自宅待機中に家庭内暴力が急増するため、LGBTIの人々は暴力や虐待の被害者にもなる。今こそ国際社会は、これまで以上に性的指向、性自認またはその他の理由で、LGBTIの人々に対するいかなる形態の暴力・差別・差別的発言および憎悪犯罪と闘うという決意を再確認しなければならない。

EUは、世界各国のLGBTIの人々に対する人権侵害、差別および虐待に対する免責と断固として闘う。欧州委員会が打ち出した新たな「LGBTI+平等戦略」により、EUはLGBTIの人々の人権の促進と保護の進展を促す。われわれは、国際機関、市民社会、人権活動家たちと力を合わせ、EU内外の全てのパートナーと協力し、LGBTIの人々の人権を擁護し、平等と多様性の尊重を促進するために取り組む。EUとその加盟国は、「LGBTIの人々による全ての人権の享受を促進・保護するためのEUガイドライン」と、「対外行動における非差別に関するEU人権ガイドライン」に基づくコミットメントを順守する。

EUは、全ての人権が普遍的であり、不可分であり、相互依存し、相互に関連していることを想起する。地球規模の危機のこの時期、そして平時に戻る時、これは忘れられてはならない。われわれは、自身の対応は確実にあらゆる種類の差別なしに全ての人の尊厳と人権を堅持することを約束し、世界中の全ての政府に同様の行動を要請する。誰も取り残されるべきではなく、いかなる人権も無視されてはならない」

 

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